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2015 年 3 号(通号 34 号) NDL 書誌情報ニュースレター 目 次 ししょまろはんの LOD(Linked Open Data)に関する取組み ―Web NDL Authorities の利活用事例紹介 (京都府立図書館 是住久美子)
1 連載「世界の RDA の取組みのいま」が始まります (NDL 書誌情報ニュースレター編集委員会) 4 世界の RDA の取組みのいま(1)―シンガポール (逐次刊行物・特別資料課 山本晶子) 6 世界の RDA の取組みのいま(2)―イスラエル
( 逐次刊行物・特別資料課 坂和さゆり) 9 「全国書誌データ・レファレンス協同データベース利活用研修会」報告 (収集・書誌調整課 田村浩一) 13 コラム:書誌データ利活用(8) ―「NDL 書誌データ取得・検索シート」の使い方とカスタマイズ その 1―使い方 (収集・書誌調整課 吉村風) 18 お しらせ:『国立国会図書館月報』で「What’s 書誌調整 ふたたび」を連載中 (収集・書誌調整課) 22 掲載情報紹介 23 ISSN 1882-0468 ISSN-L 1882-0468

NDL書誌情報ニュースレター2015年 3号(通号 34号)

ししょまろはんの LOD(Linked Open Data)に関する取組み ―Web NDL Authoritiesの利活用事例紹介

是住 久美子(京都府立図書館)

【はじめに】
私たちは職場の仲間で自主学習グループ「ししょまろはん」を結成し、2013年から活動しています[1]。ししょ まろはんが取り組んでいる活動のひとつに、地元の京都が出てくる文学作品やマンガ、ライトノベル等の情報を LOD(「京都が出てくる本のデータ」 )として公開しているものがあります[2]。 データの中身は、作品のタイトルなどの書誌情報のほか、おすすめ度や心境(ワクワク、しんみりなど) 、京都 度(京都が出てくる割合) 、140字程度の内容紹介文、作品に出てくる京都のスポットの名称、位置情報(緯度・ 経度) 、そして国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス(Web NDL Authorities)の著者名典拠URIが含ま れています。現在240件ほどのデータを、クリエイティブ・コモンズライセンスの「表示(CC BY)」という、クレ ジットの表示だけで自由に使っていただけるライセンスで公開しています。

【 「京都が出てくる本のデータ」を公開して】
「京都が出てくる本のデータ」を公開してすぐ、このデータを使ったアプリがいくつか作成されました。デー タには作品に出てくる京都のスポット情報として、緯度と経度も含まれていますので、スマートフォン用のアプ リでは地図上にピンが立ち、スポットをタップして作品のデータを見ることもできます。また、リストから作品 を選択し、作品の舞台となったスポットへのルート案内を表示させるなど、いわゆる「聖地巡礼」のように利用 してもらうこともできます [3]。 図書館員が作ったオープンデータが新たな地域の観光資源として活用されているとして、地元の新聞にも取り 上げてもらう[4]など、予想外の展開にメンバー全員驚きつつ、反響があったことに力を得て、現在もデータの登 録を続けています。

【つながるデータ】
オープンデータは誰もが利用でき、改変や再配布もできるというライセンス上の特徴のほかに、機械可読形式 で公開されることが望まれています。LODは、Web上のデータをつなぐことで新しい価値を生みだそうという考え で、データを URI で表すことで、外部のデータとつなげることができます。詳しくは、国立国会図書館のホーム ページ「使う・つなげる:国立国会図書館のLinked Open Data (LOD)とは」でわかりやすく解説されていますの でご覧ください。 「京都が出てくる本のデータ」には、Web NDL Authorities の著者名典拠URIも加えています[5]。LODは、多 くの事物を発見できるよう、データに外部へのリンク(URI)を含めることが推奨されています[6]。そこで、作 品の著者にほかにどんな著作があるか調べられたり、Wikipediaから著者の情報を閲覧することのできるWeb NDL Authoritiesの著者名典拠URIを加えることにしました。Web NDL Authoritiesは、バーチャル国際典拠ファイル (VIAF)[7]ともつながっていますので、これにより、 「京都が出てくる本のデータ」が世界中のデータともつな

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NDL書誌情報ニュースレター2015年 3号(通号 34号)

がることを期待しています。将来的には京都を訪れる外国人観光客がアニメ等の舞台を巡りながら、作品や作者 について、さらに広がって、日本の文化について知ることができるアプリなどができるかもしれません。

<京都が出てくる本のデータ例>

図 「京都が出てくる本のデータ」とWeb NDL Authoritiesの典拠データ

【おわりに】
私たちは技術的な知識がまだまだ足りないため、LODとして適切な共通語彙の選択や、 事物の名前に誰でもアク セスできるhttp URIを用いたデータの公開ができていないなど、課題も多くあります。ただ、これからは私たち のような非エンジニアが比較的簡単にLODを公開できる仕組みもできてくると思われます。 図書館員はさまざまなデータを構造的に整理したり、テーマによっていろいろな情報を再編集して提供すると いうことは得意分野ですよね。何より、そうやって作ったものは世の中に使われてこそ価値があるのだから、自 分たちの著作権を主張するという発想は、図書館員にはほとんどないと思われます。何の根拠もありませんが、 いろいろなデータとつながって新たな価値が生み出される可能性が広がっていくLOD と図書館員の仕事とは親和 性が高いと感じています。 LOD は始まったばかりで、成功事例も少ない状況ですが、 「Open by Default(原則オープン) 」を念頭において、 また、つながりやすい形での公開を意識する、たとえば、すでに提供されている国立国会図書館や国立情報学研 究所の LOD とつながるような形で提供することで、多くの人にとって価値のある情報に進化していくのだと思い ます。 是住 久美子 (これずみ くみこ 京都府立図書館)

Web NDL Authorities へ VIAF へ 国立国会図書館サーチで 著作の書誌データを検索 Wikipedia を検索 <Web NDL Authorities>

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NDL 書誌情報ニュースレター2015 年3 号(通号34 号) [1]ししょまろはんラボ. http://libmaro.kyoto.jp/, (参照 2015-08-05). [2]「京都が出てくる本のデータ」はLOD チャレンジ2014 のデータセット部門で最優秀賞を受賞しました。LOD チャレンジ2014 については以下のページをご覧ください。 ・LOD Challenge 2014. http://lod.sfc.keio.ac.jp/challenge2014/index.html, (参照 2015-08-08). [3]LinkData. “京都が出てくる本のデータ”. CityData. http://citydata.jp/%E4%BA%AC%E9%83%BD%E5%BA%9C/%E4%BA%AC%E9%83%BD%E5%B8%82/%E4%BA%AC%E9%83%BD%E3%81% 8C%E5%87%BA%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%82%8B%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF/rdf1s1294i/kyoto book_list.html, (参照 2015-08-05). [4]『京都新聞』(2014 年3 月28 日 朝刊20 面)「本に出る京都 司書「案内」地図、説明文 ネットで公開」 [5]Web NDL Authoritiesの典拠データについては、本誌 2015 年1号(通号32号)の「コラム:書誌データ利活用 (6)―Web NDL Authorities 解読講座 その1―ウェブでつながる典拠データ」をご覧ください。 http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_9103524_po_2015_1.pdf?contentNo=1#page=15, (参照 2015-08-05). [6]5つ星オープンデータ. http://5stardata.info/ja/, (参照 2015-08-05). [7]VIAF は、各国の国立図書館等から典拠データの提供を受けて、個人、団体といった同一の実体に対する典拠 レコードを同定し、相互にリンクさせるシステムです。

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NDL 書誌情報ニュースレター2015 年3 号(通号34 号) 連載「世界のRDA の取組みのいま」が始まります 2013 年3 月から、米国、英国、カナダ、オーストラリアの各国立図書館等が、“Anglo-American Cataloging Rules, second edition”(AACR2)の後継として、書誌データを作成するための新しい基準“Resource Description and Access”(RDA)の適用を開始しました。これを皮切りに、世界各国で、RDA を適用する図書館が増えていま す。まだ検討段階にある国も含めると、RDA の適用に向けた動きは着実に広がっています。 国立国会図書館も、2013 年4 月から、外国刊行の洋図書等の目録規則として、RDA を使用しています[1]。また、 RDA の日本語訳や、日本図書館協会と連携して、RDA に対応した新しい『日本目録規則』の策定作業を進めていま す[2]。 「RDA を適用します」と一口に言っても、各図書館等で適用するまでには、さまざまな検討や準備が必要です。 たとえば、RDA に則って作成したデータと、その図書館がこれまでに従ってきたルールで作成されたデータとの違 いを洗い出し、従来のデータとの継続性を考慮する必要があります。いずれのルールに則って作成されたデータ でも、利用者がその違いを意識することなく利用でき、目的の資料や情報にアクセスできることが重要だからで す。英語圏以外の場合、RDA を自国の言語へ翻訳する作業も必要です。また、言語独自の事情(日本語であれば、 読みの扱い等)への配慮も必要です。目録作業の担当者に新たなルールを習得してもらうための広報や研修も大 切です。その国全体の目録作成の基準を維持する立場であれば、国内の各図書館に広く普及させる役割も担って います。 2014 年、ニューヨークのHaworth Press 社が発行する“Cataloging & Classification Quarterly”の52 巻6- 7 号では、「世界のRDA」(RDA Around the World)として特集が組まれました [3]。この特集では、各国または各 言語圏で実施されている、または実施されたRDA の適用に向けた取組み等が紹介されています。そこで、本誌で は、この中からピックアップした記事を基に、各国のRDA の適用に関する取組み状況についてご紹介します。 本誌通号34 号(今号)から通号36 号(2016 年3 月刊行予定)までの3 回にわたり、記事を数本ずつとりあげ る予定です。世界でどのようにRDA の適用に向けた取組みが行われてきたのか、そして、どのような苦労や課題 があるのかを知ることで、RDA に限らず、何か新しいルールを適用する際に必要なことや留意すること等、参考に なるかもしれません。 本号では、以下の2 か国の取組みをご紹介しています。  世界のRDA の取組みのいま(1)―シンガポール  世界のRDA の取組みのいま(2)―イスラエル 今後もどうぞお楽しみに。 (NDL 書誌情報ニュースレター編集委員会)

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NDL 書誌情報ニュースレター2015 年3 号(通号34 号) [1]清水悦子. RDA がやってきた: 国立国会図書館における目録規則の動き. 大学の図書館. 2015, 34(5), p.66-69. 本誌2013 年1 号(通号24 号)および同3 号(通号26 号)でも、「2013 年4 月から洋図書等にRDA を適用 します」を掲載しています。 http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8103221_po_2013_1.pdf?contentNo=1#page=12, (参照 2015- 07-22). http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8301273_po_2013_3.pdf?contentNo=1#page=2, (参照 2015-07- 22). [2]これらの取組みは、「国立国会図書館の書誌データ作成・提供の新展開(2013)」の中で掲げた「RDAに対応 した書誌データの作成基準」の策定に向けた検討の一環として進めています。 ・“ Resource Description and Access”( RDA)の日本語訳について 本誌2014 年3 号(通号30 号), http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8747102_po_2014_3.pdf?contentNo=1#page=22, (参照 2015- 07-22). ・おしらせ:日本図書館協会目録委員会と連携し、新しい『日本目録規則』を策定します. 本誌. 2013 年4 号(通号27 号), http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8379163_po_2013_4.pdf?contentNo=1#page=21, (参照 2015- 07-22). [3]Cataloging & Classification Quarterly(Volume 52, Issue 6-7, 2014), http://www.catalogingandclassificationquarterly.com/ccq52nr6-7.html, (参照 2015-07-22).

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NDL 書誌情報ニュースレター2015 年3 号(通号34 号) 世界のRDA の取組みのいま(1) ―シンガポール 【はじめに】 シンガポール国立図書館委員会(National Library Board:NLB。国立図書館、公共図書館および国立公文書館 を管理・運営する組織)は、導入準備を2012 年5 月に開始し、翌年4 月から本格適用しました。本稿では、NLB がRDA の適用を開始するまでの過程を中心にご紹介します[1]。 【プロジェクト発足】 NLB がRDA の導入を決めたのは、(1)国立図書館として、最新の国際的な目録動向に遅れを取らないため、(2) 近い将来、Linked Data を促進するため、(3)MARC フォーマットに代わる書誌フレームワークの開発に備えるため という三つの理由によるものです。 NLB では、背景も書誌関連業務歴もさまざまなメンバー13 名からなるプロジェクトチームを結成し、プロジェ クトマネジメントの手法によるRDA 導入事業を進めました。 プロジェクトでは、以下の四つのマイルストーンが設定されました。 ・2012 年5 月 プロジェクトチーム発足 ・2012 年12 月 RDA のサンプルレコード作成 ・2013 年3 月 試行開始 ・2013 年4 月 本格適用開始 そして、このプロジェクトで実施する範囲を、物理的資料とデジタル資料の両方へのRDA の導入、NLB で採用す る記述規則(coding schemas)を用いたRDA 対応書誌レコードの作成、新規作成レコードに対するRDA の適用と しました。 スケジュールの検討は、人的資源や財政資源の制約がある中で、日常業務への影響も考慮しながら進められま した。また、プロジェクトの開始にあたり、進行過程で達成すべきおもな成果を、(1)職員研修の実施、(2)NLB の RDA 適用方針・基準等の策定、(3)RDA 関連文書や研修教材などの作成と維持管理、(4)目録のエンドユーザーやベ ンダー、国内図書館等を対象とした説明会の開催、(5)RDA を適用した目録作成の試行、(6)RDA の完全適用の6 項 目に定めました。 さらに、NLB では、カタロガー等の現場の積極的な関与も必要であると考え、現場からの意見を募集し、挙げら れた指摘や課題についてプロジェクトチームが対応しました。 【職員研修と情報共有】 プロジェクトでは、新しいルールによる目録作業に習熟するにはかなりの手間と時間がかかると考えられ、職 員研修は取組みの中でも最重要事項として位置づけられていました。それまでシンガポールにはRDA の研修を行 う機関がなかったため、NLB 職員のニーズに沿った研修計画を自力で立案しなければなりませんでした。 研修は週3 時間のセッションからなり、Resource Discovery Department(目録担当部門)の全職員を対象とし、 スタッフ層別に実施されました。その内容は次のとおりです。

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NDL 書誌情報ニュースレター2015 年3 号(通号34 号) (1) RDA を用いた目録作成 (書誌レコードの機能要件(FRBR)/典拠データの機能要件(FRAD)/RDA の基本原則) (2) 英米目録規則第2 版(AACR2)からRDA への変化 (3) RDA Toolkit の使い方 (4) RDA を用いたコピーカタロギング 研修は、教室での授業、グループ学習およびウェビナー(ウェブ上でのセミナー)を組み合わせて行われまし た。また、教材の作成には、米国議会図書館(LC)のRDA portal と、ワシントン大学図書館のアダム・L・シフ 氏(Adam L. Shiff)のウェブサイトを特に参考にしました。 RDA の参考資料や教材は、さまざまなものがウェブ上で公開されています。プロジェクトチームはそれらを整理 し、"TeamRoom"と呼ばれるオンライン共有スペースで職員が入手できるようにしました。また、LC、PCC(Program for Cooperative Cataloging。国際的な共同目録プログラム)、OCLC 等におけるRDA 関連の最新動向もここに掲 載して、職員間の情報共有を図っています。 【NLB のRDA 適用方針】 NLB のRDA 適用方針は、現場の目録慣行や、NLB 内部のガイドラインも考慮に入れつつ策定されました。 従来適用していたAACR2 は資料種別ごとの章構成となっており、NLB の目録作成方針もこれに基づいて作られ ていました。しかしRDA の規則の体系はAACR2 とはまったく異なるため、資料種別を基準にRDA 適用方針を作成 するのは実際的ではありませんでした。 また、カタロガーが書誌レコードを作成するにあたっては、資料種別に代わり、RDA の根底にあるFRBR の概 念モデルの観点から、書誌データの組織化を考える必要がありました。このような背景もあり、FRBR に定める 利用者タスクの支援のため、RDA のコア・エレメントについては、NLB ではすべて採用することを定めました。 NLB では、従来、LC のAACR2 適用ルールを一部参照しており、RDA を適用する際には、そのRDA 対応版である LC-PCC PS(Library of Congress-Program for Cooperative Cataloging Policy Statements)を参照すること になりました。そのため、RDAとLC-PCC PSの両方を把握しておくことが必要でした。そして、RDAとLC-PCC PS の規定を対照させたリストを作成し、各項目について比較検討しました。その結果をふまえ、NLBの RDA 適用方 針案をバージョン1として策定しました。さらに2013 年4月のRDA 適用開始後、プロジェクトチーム外からの フィードバックをふまえてバージョン2を公開しました。このバージョン2には、将来のLinked Dataへの対応を 意識した規定も盛り込まれています。 プロジェクトの期間中、NLB は、RDA 完全適用の1 か月後である2013 年5 月の利用開始を目指して、新しい図 書館管理システム(LMS)へのデータ移行も進めていました。従来のLMS では、RDA に対応するMARC フィールド のうち、OPAC で表示できないものや、NLB では使用していなかったものがありました。新しいLMS に切り替わる まで、前者は便宜上別のフィールドに変え、後者は旧システムでは格納のみしておくといった一時的対応をとっ ていました。 2013 年4 月のオリジナルカタロギングにおけるRDA 完全適用後も、コピーカタロギングの際にAACR2 適用デー タに対してRDA に基づく訂正を行うべきかという問題が残っていました。職員の習熟に充てる時間を確保するこ とが優先と考えて、訂正作業を一時見合わせたところ、結果的には、RDA に準拠した書誌レコードがWorldCat で 多数得られるようになり、変換を自ら行う必要性は低くなりました。 もう一点、PCC の報告書“Report of the PCC Post-Implementation Hybrid Bibliographic Records Guidelines

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NDL 書誌情報ニュースレター2015 年3 号(通号34 号) Task Group”(Word file: 48.5KB)で定義されている、旧来の書誌レコードにRDA のエレメントを追記したハイ ブリッド書誌レコードの採否も懸案となっていましたが、将来のLinked Data 対応や効率性、そして職員の能力 育成の点から、使用しないことに決めました。 こうした判断により、職員はRDA による目録作成の実践に集中することができ、作業の習熟が進むとともに、 RDA の原則についての理解も深まりました。 また、RDA が適用されていないあらゆるデータに対して、RDA に準拠した形への遡及的な一括変換は実施せず、 再検討の必要が生じたデータのみ、RDA を適用するかどうかを個別に判断することにしました。 【おわりに】 RDA 導入プロジェクトは予定どおり進捗し、成功を収めましたが、RDA の適用を開始してからも、プロジェクト チームには依然としてRDA 関連の質問が寄せられていました。そこで「RDA ホットライン」を開設し、カタロガー 数名によるチームが、適用方針の変更などのあらゆるRDA 関連の案件に取り組むことになりました。そうした取 組みの一環として、NLB では今後に向け、セマンティックウェブやLinked Data 環境への対応策を探っています [2]。 山本 晶子 (やまもと あきこ 逐次刊行物・特別資料課) [1]Choi, Kathy et al. RDA: National Library Board Singapore's Learning Journey. Cataloging & Classification Quarterly. 2014, 52(6/7) , p. 608-620. 下記のURL に要旨が掲載されています。 http://catalogingandclassificationquarterly.com/ccq52nr6-7.html, (参照 2015-08-14). [2]2014 年5 月に、Linked Data への取組みに関して、セマンティックウェブ関連企業のZepheira 社と契約し、 具体的に書誌データの変換等を進めています。実際のNLB のデータからも、関連指示子の記録など、Linked Data に対する強い意識がうかがわれます。 National Library Board, Singapore Selects Zepheira to Perform Linked Data Modeling and Conversion (2014/5/12 付). http://zepheira.com/2014/05/national-library-board-singapore-selects-zepheira-to-perform-linked- data-modeling-and-conversion/, (参照 2015-08-14).

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NDL 書誌情報ニュースレター2015 年3 号(通号34 号) 世界のRDA の取組みのいま(2) ―イスラエル 【はじめに】 イスラエル国立図書館(The National Library of Israel:NLI)では、近年、新館建設(2019 年完成予定) や、イスラエルやヘブライ語関係の資料のデジタル化など、大規模なリニューアル計画を推進中で話題を提供し ています。このNLI と大学図書館を中心に、イスラエルでも“Resource Description and Access”(RDA)の適用 が進められています。 イスラエルの公用語はヘブライ語とアラビア語であり、さらに、ロシア語も多く使用されています。そのため、 日本と同様、RDA の適用に向けては、英語以外の言語における対応が必要です。 本稿では、イスラエルの目録作成に固有の課題や、国内全体の図書館へのRDA の普及を目指した準備作業にお ける課題の観点から、その取組みをご紹介します[1]。 【イスラエルの目録 RDA 以前】 イスラエルでは、米国の基準をふまえた目録基準を使用しています。目録を作成するときの言語(目録用言語) も、英語を使っています。ただし、ヘブライ文字、アラビア文字またはキリル文字の資料については、ラテン文 字(ローマ字)への翻字ではなく、資料の文字表記(原綴)をそのまま記録しています。これは、翻字のルールに 一貫性がないため、利用者が検索の際に混乱しないようにするためです。また、英語で目録を作成する場合でも、 米国議会図書館(LC)ではなくヘブライ語アカデミー(the Academy of the Hebrew language)の翻字テーブル を使用したり、聖書のような無著者名古典の標目の多くに米国のものと異なる独自の標目を使用するといった運 用が行われています。 ヘブライ語資料の場合は、英米目録規則第2 版(AACR2)に準拠したヘブライ語目録マニュアルがあり、標準化 したヘブライ語の略語や、注記、一般資料種別(General Material Designations:GMDs)などを使用して書誌が 作成されてきました。アラビア語やロシア語についてもおおむねヘブライ語同様の対応がとられてきました。 データフォーマットについては、多くの学術図書館がExLibris 社の統合図書館システムAleph を導入していた ため、Aleph の開発方針に合わせる形で、2004 年から2005 年頃に、MARC21 フォーマットに対応することになった という経緯があります。Aleph は、英国図書館(BL)等の海外の国立図書館だけでなく、日本でも、国立国会図書 館や慶應義塾大学で採用されています。なお、ExLibris 社はイスラエルの会社であるため、MARC21 フォーマット で対応できないヘブライ語特有の冠詞のインデックス処理や、左から右へ記述する言語と右から左へ記述する言 語の両方を表示する場合の問題(bidirectional display)に対応することができました。 【RDA 適用へ】 RDA 適用の検討は、長らくヘブライ大学図書館が実質的な国立図書館の役割を果たしていたこともあり、ヘブラ イ大学も参加するイスラエル大学共同目録委員会(The Israeli Inter-University Cataloging Committee。以下、 目録委員会といいます)が主体となり行われました。2010 年7 月から検討を開始し、しばらくは様子見でした。 しかし、2012 年になると、LC が2013 年3 月末までにRDA の適用を完了する計画を発表し、続いて、BL、カナダ

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NDL 書誌情報ニュースレター2015 年3 号(通号34 号) 国立図書館・文書館、オーストラリア国立図書館などが2013 年第1 四半期を目標に設定しました。イスラエルも RDA 適用に向けた取組みを開始しました。 イスラエルでも、コピーカタロギングの利点などを考慮し、RDA を適用する方向で動き始めました。そして、目 録委員会の下に設置されたRDA 小委員会(The RDA subcommittee)により、以下の三段階に分けてRDA の適用に 取り組むことが決定されました。 1.OCLC のWorldCat からのコピーカタロギングによる、RDA が適用された書誌レコードおよび典拠レコードの取 込み 2.トレーナーの養成、国レベルの方針の策定、必要な用語のヘブライ語、アラビア語およびロシア語への翻訳 3.各図書館での研修の実施と、RDA に準拠したデータの新規作成 【2013 年】 ・OCLC のWorldCat からコピーカタロギングを開始 スタッフはまだRDA のトレーニングを受けていないため、コピーデータ利用のガイドライン作成が必要でした。 ・トレーナーの養成 2013 年8 月、7 日間にわたり、各図書館の目録部門の責任者を対象にしたセミナーが開催されました。イスラ エルにはRDA のエキスパートがいなかったため、NLI と目録委員会は、米国の経験豊富なRDA トレーナーを招へ いしました。 ・必要な用語の翻訳を開始 学術図書館の目録担当者の多くは業務上必要な英語の知識があるため、RDA Toolkitをヘブライ語に翻訳す るのではなく、トレーニングに必要な「コア・エレメント」「アクセス・ポイント」といったRDA固有の新し い用語や、目録業務に必要な用語を翻訳しました。 自国語資料の目録業務で使用する用語は、ヘブライ語、アラビア語、ロシア語に翻訳されました。関連指示子 について、これら三つの言語への翻訳が完了していました(ロシア語は選択した語彙のみ)。 また、RDA を適用することにより、MARC21 フォーマットの260 フィールドで出版者や出版地等が不明な場合に 使用していた略語が記録できなくなるため、代わりに用いる標準的な用語について、直訳でなくわかりやすい訳 語が工夫されました。 ・RDA に準拠した新目録マニュアル作成に着手 目録マニュアルの文書は、ドラフトの段階からオープンアクセスでNLI のホームページに公開されました[2]。 本稿執筆時点でも一部未完成です。前述の関連指示子のリストも、このマニュアルの付録として公開されていま す。 【2014 年】 ・各大学図書館におけるトレーニングの展開 ・夏までにRDA に完全準拠したデータの新規作成を開始[3]

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NDL書誌情報ニュースレター2015年 3号(通号 34号)

・RDA小委員会による提案書の提出 国レベルの方針を策定するためのもので、 LC-PCC PS (Library of Congress -Program for Cooperative Cataloging Policy Statements)に準拠するだけでなく、イスラエルの「ベストプラクティス」も提唱されてい ます。非ラテン文字言語の目録についての項目があり、関連指示子や用語の翻訳の際に、男性名詞に統一する問 題や、ヘブライ語のアクセス・ポイントの没年表記についての問題などが扱われています。

【2015年以降】
・逐次刊行物、音楽資料についての提案書の作成(予定) 本稿執筆時点では、これらについて、2015年6月の目録委員会の記録までがNLIのホームページに掲載されて います[4]。

・資料種別に関する課題の検討 取組みの第1 段階では、当初、従来のAACR2に準拠したデータとの一貫性を考慮し、RDAにはないGMDsの継続 を企図していました。その後、GMDsの記録をやめることに決めましたが、RDAが適用される以前(AACR2)のデー タと RDA が適用されたデータとの間で、資料種別の同定が困難になるとの懸念が残りました。また、本稿執筆時 点で、 ULI(The Israel Union List。大学および単科大学による総合目録)では、従来のAACR2で作成されたデ ータも、RDAが適用されたデータも両方許容されていますが、RDAが適用される以前のデータを遡及的に更新した 際に、MARC21フォーマットの336/337/338の3つのフィールドにそれぞれ記録する代わりに、GMDsを削除するか どうか等は将来的な課題とされています。

【システム面での対応】
国内で多くの大学図書館がAlephを使用していたことの利点として、同じくAlephユーザーであり、先行して システムの再構成問題に対応していたBLから提供された情報を国内各図書館で共有できた点があります。 BL の RDA適用時のシステム再構成については、EURIG(European RDA Interest Group)の2014年ミーティン グの発表資料[5]によると、Alephの再設定、新しいMARCフィールドに対応するためのテーブルの設定変更、プ ロダクトデータチェック用のMARCレポート、インデックスの再定義、レコード入力補助用テンプレートやマク ロの変更などの作業が挙げられています。

【おわりに】
2012年に RDAの適用に向けて動き始めて以来、多くの作業に追われてきたイスラエルですが、取組みに対する 積極的な姿勢がうかがえます。RDA適用へのプロセスを経て、国内図書館の協力体制を以前に増して強め、発足当 初から目録委員会の目標であった書誌の標準化を進めることができました。

                坂和 さゆり 

(さかわ さゆり 逐次刊行物・特別資料課)

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NDL 書誌情報ニュースレター2015 年3 号(通号34 号) [1] Marina Goldsmith, Elhanan Adler. RDA in Israel. Cataloging & Classification Quarterly. 2014, 52(6/7) , p. 677-687. 下記のURL に要旨が掲載されています。 http://catalogingandclassificationquarterly.com/ccq52nr6-7.html, (参照 2015-07-30). 本文と同じ内容のものが、NLIのホームページでも入手できます。 http://web.nli.org.il/sites/NLI/Hebrew/infochannels/librarians/RDA-Training-Material/Documents/RDA- in-Israel--final-version.pdf, (参照 2015-07-30). [2] הספרייה הלאומית . " אמנות הקיטלוג ". http://web.nli.org.il/sites/NLI/Hebrew/infochannels/librarians/Cataloging_Art/Pages/default.aspx, (参照 2015-07-30). NLI の目録規則に関するウェブページ(本文はヘブライ語)。 [3] ריני

גולדסמית " סקירה

בישרא ל- RDA , ליום

עיון של מאל "י
מרץ2015 ."

http://lib.haifa.ac.il/extprojects/meli/images/docs/2015/rda/Riny_RDA_for_Meli_March_2015.pdf, (参照 2015-07-30). 2015 年3 月にNLI がExLibris 社イスラエルユーザー会議で発表した資料です。これによると、ULI のRDA が適 用されたレコード件数は、約134,000 件です(2015 年3 月現在。オリジナルカタロギングとコピーカタロギン グの別や使用されている言語等の詳細は不明)。主な内訳は、NLI が27,013 件、テルアビブ大学16,853 件、ヘ ブライ大学13,771 件などです。 [4] הספרייה הלאומית . " חומר הדרכה ל- RDA

."

http://web.nli.org.il/sites/NLI/Hebrew/infochannels/librarians/RDA-Training- Material/Pages/default.aspx, (参照 2015-07-30). NLI によるRDA の研修資料に関するウェブページ(本文はヘブライ語)。 [5] Alan Danskin. RDA: implementation and application, British Library perspectives. http://www.slainte.org.uk/eurig/docs/EURIG2014/2014_EURIG-AM_presentation_Implementing-RDA-in- BL_Danskin.pdf, (参照 2015-07-30).

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NDL 書誌情報ニュースレター2015 年3 号(通号34 号) 「全国書誌データ・レファレンス協同データベース利活用研修会」報告 【はじめに】 平成27 年度は、全国書誌データの利活用とレファレンス協同データベース事業の紹介を合同で行う研修会 (以下、研修会といいます)を開催しました[1]。 研修会は、公共図書館や学校図書館などの職員を対象に行いました。 第一部では、国立国会図書館(NDL)が提供している全国書誌データの利活用方法の説明やレファレンス協同 データベース事業の概要・活用方法を紹介しました。第二部では、参加者が実際に全国書誌データのダウンロー ドやレファレンス協同データベースへの登録などを体験するワークショップを行いました。また、研修会の終了 後、参加者同士の情報交換の場として交流会を設けました。 7 月24 日(金)に関西館、8 月21 日(金)に東京本館で開催しました。関西館は29 名、東京本館は31 名の 参加がありました。終了後のアンケートでは、多くの方から「満足」との回答をいただくことができました。 以下に、研修会の概要を報告します。 【研修の内容】 (1)第一部(前半):全国書誌データの利活用(40 分) はじめに、NDL が提供する全国書誌データの概要を紹介しました。 全国書誌は、一般に「国の出版物について標準的な書誌情報を作成し、広く内外に提供するもの」です。NDL が提供する全国書誌には、法定納本制度に基づいた資料収集によって、豊富な書誌データ(全国書誌データ)が 含まれています。市場に流通していない出版物(非流通系の出版物)の書誌データも収録され、公共図書館や学 校図書館などであれば無償で利用可能という特徴があります。全国書誌データのおもな入手方法として、NDL- OPAC からのダウンロードや、国立国会図書館サーチ(NDL サーチ)のAPI 機能を利用する方法[2]があります。 また、新着書誌情報[3]も提供しています。 「全国書誌データの利活用」の講義(関西館会場)

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